
──異業種営業がIT営業で重宝された理由とは?
はじめに|「未経験=劣っている」って誰が決めた?
30代で未経験からIT営業に転職して、1年ちょっとが経ちました。
今思うのは、「未経験=マイナス」って思われがちだけど、
実はそれ、真逆のこともあるってこと。
たとえば、
「ITの専門用語がわからないお客様にどう説明するか」
「課題が漠然としている相手に、どう話を引き出すか」
「意思決定までの過程で、どう伴走するか」
──これって、前職の“ザ・営業”経験がバリバリ活きる場面なんです。
今回は、そんな自分の実体験をもとに、
「未経験だからこそ武器になる視点」
について書いていきます。
「自分なんかに通用するのかな…」と不安な人に、
ちょっとでも「行けるかも」と思ってもらえたら嬉しいです。
1. 異業種営業ならではの強み①:顧客の気持ちが“わかる”
IT業界って、良くも悪くもプロダクト目線が強い業界です。
機能・性能・スピード・スケーラビリティ…とかね。
でもお客さんの多くは、
「で、何がどう便利になるの?」
「導入後、自分の仕事がどう変わるの?」
って感覚で捉えています。
前職では、製品そのものよりも「お客様がどう使うか」にフォーカスして営業してました。
例えば照明メーカーだったので、「部屋の用途」「誰が使うか」「どんな空気を作りたいか」で提案していたんです。
これって、“相手の言語で話す”力なんですよね。
IT業界に入ってみて、「その翻訳力、めっちゃ大事やん」って気づきました。
2. 異業種営業ならではの強み②:「わかりやすく伝える力」
IT業界って、用語の壁があるんです。
- クラウド、SaaS、API連携
- オンプレ、ローコード、ゼロトラスト
- SSO、CSM、SPM、SAM…(もはや呪文)
これをそのままお客様に話しても、たいてい「???」って顔になります。
でも、ITの人って“わかってる前提”で話しちゃうことが多い。
そこで活きるのが、“たとえ話”の力でした。
例えば、「クラウドって何?」と聞かれたら、
「レンタカーみたいなものです。必要な時だけ使えて、維持管理もお任せ」って説明する。
「API連携って?」と聞かれたら、
「アプリ同士を“手をつなぐ”みたいな感じで、勝手に連携して動いてくれるんです」って伝える。
こういう“言い換えスキル”って、前職で培ってきた営業センスなんですよね。
そしてそれが、お客様に一番喜ばれる瞬間なんです。
「あ、今の説明めっちゃわかりやすかった!」
って言われたとき、「異業種出身でよかった」と本気で思いました。
3. 異業種営業ならではの強み③:「泥臭くやれる力」
IT業界ってスマートなイメージがあるかもしれません。
でも、実際はめちゃくちゃ泥臭い仕事も多い。
- 部門横断の調整
- 提案資料の作り直し
- 上長との合意形成
- 納期直前の巻き直し etc.
そんな中で活きたのが、前職で鍛えられた“フットワークと気合”。
「お客様のためなら夜でも資料差し替える」
「関係部署には、自分から何回でも電話かける」
「最後まで付き合いきる」
この“昭和的営業魂”みたいなものが、
意外とIT業界でも評価されたりするんです。
あるとき、先輩にこう言われました。
「トリくん、根っこのところで“信頼される動き”してるよね」
この言葉が、自分の中でめちゃくちゃ響きました。
「泥臭さ=ダサい」じゃない。
それは、**“ちゃんと向き合ってる証拠”**なんだって。
4. 実際にあったエピソード:「違い」が価値になった瞬間
あるとき、大手企業の基幹システム刷新プロジェクトで、
お客様から「現場が納得してないんですよね…」と相談されたことがありました。
技術的には正解でも、
“現場の肌感”がついていかないという課題。
私は前職で、店舗や工場など「現場との対話」をずっとやってきたので、
「現場が何に不安を感じるか」「何が引っかかってるか」がピンときました。
だからこそ、ITの専門家チームとお客様の“間”に入って、
現場用の説明資料をつくり直し、導入前に現場ヒアリングを設定しました。
結果、「これなら安心して使えそう」と現場が納得。
導入もスムーズに進みました。
このとき、上司がひと言。
「技術屋にはない視点だったね。ナイス翻訳力」
未経験だからこそ、お客様寄りに考えられた。
そしてそれが、プロジェクト全体に良い影響を与えられた。
「違いって、強みになるんやな」
と、心から思った瞬間でした。
5. “未経験=ゼロ”ではない。違うフィールドで積んできた価値がある
転職活動をしていた頃、
「自分にはITの知識がない」「未経験だし30代だし…」と、正直かなりネガティブになっていました。
でも、今振り返ると
“ゼロ”なのは知識だけだった。経験はちゃんと積んでた。
- 相手の状況を読み取る力
- 分かりやすく伝える力
- 最後まで伴走する力
- チームで動く力
- 信頼を積み重ねる力
これって、どんな業界でも通用する“営業の本質”だったんですよね。
未経験=不利ではなく、**「違う土俵で育った力」**だと思えばいい。
大事なのは、“その力を言語化できるかどうか”。
これに気づけてから、
面接でも、自分を責めることが減りました。
6. 転職後のリアル:最初はしんどい。でも、確実に進化する
もちろん、最初はしんどかったです。
- 用語が飛び交って何を言ってるかわからない
- 社内のIT前提会話についていけない
- システムの仕組みが理解できず提案が空回りする
毎日、家でノート開いて用語を書き出して勉強。
Slackの過去ログを夜に読み返す日々。
でも、「わからない」と素直に言える環境だったのが救いでした。
そして何より、前職での“試行錯誤癖”が活きた。
- わからない→図解する
- 説明できない→他の人のトークを盗む
- 用語に迷う→類似表現を複数メモる
少しずつ、“IT営業っぽい自分”に近づいていきました。
まとめ|「違うこと」は、武器になる。
転職前は、
「未経験だから不利」「30代からじゃ遅いかも」
そんなふうに思っていました。
でも、今は違います。
- 未経験だから、お客様と同じ視点に立てる
- 異業種だから、業界の当たり前を疑える
- 異文化で鍛えた力が、チームの多様性になる
「違い」が武器になる瞬間は、たしかにあります。
だから、未経験=劣ってる、なんて思わなくていい。
むしろ、“違いをどう活かすか”に気づけた人が強いと思っています。
おわりに|未経験からの転職で大切だったこと
最後に、私が30代・未経験でIT営業に転職して感じた、3つのリアルをまとめます。
- 未経験は不利じゃない。伝え方次第で武器になる
- スキルは後からでも身につく。まずは素直さと行動力
- 前職での経験は、視点・言語・行動にしっかり活きる
このnoteが、同じように悩んでいる誰かに届けば嬉しいです。
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次回予告|Day4
「転職して後悔したこと、正直に書きます。」
リアルだからこそ見える“ギャップ”や“想定外”。
次回は少し苦味もある話です。お楽しみに!