30代で未経験の業界・職種に転職を目指すとき、多くの人が「自分にはアピールできる経験がない」と悩みます。しかし、実は“まったくの未経験”など存在しません。重要なのは「これまでの経験をどう言い換えるか」です。
今回は、未経験業界に挑戦する30代のために、「面接で刺さる言語化の技術」を解説します。特にIT営業を目指す方に向けた内容です。
◆ そもそも“言い換え力”とは何か?
「言い換え力」とは、今までの仕事で得たスキルや経験を、応募先の業界・職種に“使えるカタチ”で伝える力のこと。IT営業なら「営業力」だけでなく、「課題解決能力」「ヒアリング力」「チーム連携力」なども重要です。
たとえば、前職が飲食店の店長でも、「顧客対応」や「スタッフ管理」「売上管理」など、IT営業に応用できるスキルは多くあります。
◆ 言い換えがうまくいかない30代の落とし穴
30代で未経験転職を目指す方がやりがちなNG例は以下の通り:
- 「営業経験はありませんが、頑張ります」と言ってしまう
- 「前職とはまったく違う業界なので…」と距離を置いてしまう
- 数字や成果を言語化せず、抽象的な言葉で終わる
こうした表現では、採用担当に“未経験だから教えるコストが高い”と思われやすくなります。逆に、同じ経験でも「言い換え」次第で印象はガラッと変わります。
◆ 実践:30代の“言い換え力”トレーニング
1. 経験を分解する
まずはこれまでの経験を細かく分解してみましょう。
例:事務職の方
- 会議資料の作成 → 提案資料・営業資料作成の応用可
- 来客対応・電話応対 → 初期対応・カスタマーコミュニケーション力
- 社内調整 → プロジェクトの進行管理・チーム連携
2. 抽象化 → 再具体化のプロセス
「やってきたこと」を抽象化し、その後、応募職種に合わせて再具体化します。
例:小売業でのレジ・接客経験
- 抽象化:顧客対応・トラブル対応・スピード処理
- 再具体化:IT営業におけるクライアント対応、問い合わせ対応の信頼感構築
3. 成果やエピソードに変換
できれば数字や具体的な成果に変換して伝えましょう。
例:工場のラインリーダー経験 → 「作業効率を20%改善した工程提案が採用された」 → 「新人3名の教育担当を務め、1か月で独り立ちさせた」
◆ 面接での“言い換え力”の活用法
① 自己紹介に差をつける
「私は前職で◯◯を経験し、特に△△に力を入れてきました。この経験は、IT営業での◯◯(例:課題ヒアリング)に活かせると考えています」
→ 最初の自己紹介で“使えるスキルを持っている”と印象づけましょう。
② 志望動機にも応用
志望動機では、応募先企業が求めている人物像に合わせて「なぜこの会社か」と「なぜ自分なのか」をリンクさせます。
例: 「前職ではプロジェクトの進行を支える調整役として、複数部署と連携して課題を解決してきました。御社の営業チームでこの調整力を発揮し、クライアントとの信頼構築に貢献したいと考えています」
③ 逆質問でのアピール
質問の場面でも、経験を絡めて印象づけるのは効果的です。
例: 「前職では対面での顧客対応が中心でしたが、IT営業ではオンラインでの関係構築も重要になると感じています。御社ではどのようなコミュニケーションスタイルが多いですか?」
◆ 言い換え力を高めるおすすめフレームワーク
● STAR法(面接の回答構成)
- S(Situation):どんな状況だったか
- T(Task):自分の役割は何だったか
- A(Action):どう行動したか
- R(Result):どんな結果が出たか
この構成で話すと、面接官に伝わりやすくなります。
● Will・Can・Mustマトリクス
自分のやりたいこと(Will)、できること(Can)、社会や企業が求めること(Must)を整理して、自己PRや志望動機の軸を明確にします。
◆ よくある質問と“言い換え”例
Q:「なぜ今、未経験のIT営業を目指すのですか?」 → NG:「将来性があると思ったからです」 → OK:「現職で培った課題解決力を、IT業界の変化対応力に活かしたいと考えたためです」
Q:「営業経験はありますか?」 → NG:「ありませんが、やる気はあります」 → OK:「直接の営業経験はありませんが、店長としてお客様対応や販売戦略を練る中で、顧客ニーズに応じた提案力は培いました」
Q:「30代での転職に不安はありませんか?」 → OK:「年齢を重ねたからこそ、仕事の進め方や優先順位の立て方、周囲との調整などに冷静に対応できる自信があります」
◆ まとめ:30代未経験転職の“言い換え力”は武器になる
30代で未経験職への転職を目指すなら、年齢も業界経験の有無もすべて“材料”に変える言い換え力が鍵です。
これまでの仕事を一度“要素分解”し、それを相手の言語に翻訳して伝える。このプロセスを丁寧に積み重ねれば、「未経験だけど、この人は通用しそうだ」と面接官に思わせることができます。
学歴や職歴ではなく、“伝え方”で勝てる時代です。今日からぜひ、「言い換え力」、鍛えてみてください。
◆ おわりに
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
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