未経験なのに結果を出せと言われる30代転職者の葛藤と向き合い方

転職

はじめに:未経験なのに結果を出せって、無茶じゃないか?

「営業なんだから、当然“数字”で評価される」──それは分かっていたつもりでした。

でも、30代で未経験からIT営業に転職した自分にとって、その“当然”は思ったよりも重たかったんです。

提案の仕方も、お客様との接し方も、社内調整も。すべてがゼロスタート。
にもかかわらず、「で、いつ数字出せそう?」と期待される。

心の中では「まだ右も左も分からないのに…」と焦り、でも周囲には弱音も吐けない。
そんな葛藤を抱えながら、必死で食らいついてきました。

この記事では、30代未経験でIT営業職に転職した私が、
「結果を求められるプレッシャー」とどう向き合い、どう乗り越えてきたかをお伝えします。

同じように悩むあなたに、少しでも“安心材料”や“前向きなヒント”を届けられたら嬉しいです。


プレッシャーの正体は、「できない自分」への失望だった

入社してすぐ、上司に言われた一言が今でも忘れられません。

「今期、1件は決められそう?」

──いや、正直…何をどうすれば“1件決まる”のかすら分かっていませんでした。

目の前の仕事に食らいつくので精一杯。資料の作り方も用語の意味も危うい。
でも、「営業=結果」という空気の中では、未経験だろうが何だろうが“数字を出して当たり前”のように扱われるんです。

最初は、周囲の期待に応えたい気持ちもありました。
でも、日が経つにつれ、だんだんと“怖さ”が増していきました。

  • 同期はもう商談に入ってる
  • 後輩が先に提案を任されてる
  • このまま数字出せなかったら、クビになるんじゃないか

結果が出ない=価値がない。
そんな風に、自分を責めるようになっていきました。

そしてもう一つ、厄介だったのは「周囲に理解されにくいこと」。
未経験だから大変、というのはあくまで自分の都合。
他人から見れば「30代なら、ある程度やれるよね」と思われることが多かったんです。

この“期待と現実のギャップ”が、メンタルにじわじわ響いてきました。
ときには会社を出た後、帰宅途中の電車で涙が出そうになったこともあります。

「誰かに見られたら恥ずかしいな」と思いつつ、スマホを見ているふりをして心を落ち着かせた日々。
それが、転職して最初の数ヶ月間でした。


焦りを止めてくれた、一つの問い

そんなとき、ある先輩に言われた一言が、私の中で大きな転機になりました。

「未経験でいきなり数字出すのって、必要か?」

──正直、驚きました。

それまで“結果がすべて”だと思っていた私にとって、
「出さなくてもいい」と言われた気がしたんです。

でも、その言葉の真意は違いました。

「大事なのは“数字につながる動き”をし続けてるかどうか」

つまり、プロセスを積み上げれば、結果はあとからついてくる。
“数字”を焦って空回りするよりも、
“信頼”を積み上げる行動をし続ける方が、よほど重要。

そう言われてから、少しずつ考え方が変わっていきました。

たとえば商談がうまくいかなかったとしても、
「どういう情報をヒアリングしたか」「社内にどう共有したか」など、
“結果以外の部分”にも目を向けてみるようになったんです。

それは、自分を責めすぎないための防御でもあり、
やがて“育成される側”から“自分で学びを作る側”へ変わる第一歩にもなりました。

焦りが強いと、すべての出来事が“失敗”に見えてしまいます。
でも、学びの視点で見れば、うまくいかなかったことも「材料」になる。

そう思えたことで、失敗が怖くなくなりました。


信頼を積み上げるためにやったこと

「数字はすぐ出せなくても、“信頼”は積み重ねられる。」

そう気づいてから、私は行動をガラッと変えました。
結果よりも、信頼される動きを毎日、意識して繰り返すようにしたんです。

当時、私が意識していた行動リスト:

  • 分からないことはその場で「調べて連絡します」と返す
  • お客様との会話は、すぐに社内共有(議事メモ)
  • 社内のSEや先輩に、事前相談を欠かさない
  • 毎日、自分の活動をノートにメモ
  • 定例会議で“自分なりの学び”を共有
  • 上司の発言や視点を真似して記録
  • 自分宛てに“振り返りメール”を毎週送る
  • 朝会では、1つ以上の発言か質問をする

ノートは、「一日の終わりに小さくガッツポーズできる場」でした。

  • 昨日は言えなかった提案の切り口を、今日は自分から言えた
  • お客様から「わかりやすかった」と一言もらえた
  • 先輩の口調を真似して話したら、少し反応が良かった

こうした“他人には伝わらないかもしれない進歩”も、
ちゃんと自分で認めてあげる。
この“自分を自分で肯定する力”が、未経験者には必要だと実感しました。


数字がゼロでも「見てくれる人」はいた

結果が出ない日々は、正直しんどかったです。
「何のために働いてるんだろう」と思うこともありました。

でも、そんな中で「見てくれている人」がいるだけで、救われる瞬間があったんです。

ある案件が、途中でダメになってしまったときのこと。
事前に準備もして、社内調整もして、精一杯やったつもりだった。

それでも、結果は「失注」。

その日の帰り道、頭の中は自己否定でいっぱいでした。
「結局、自分には向いてないのかもしれない…」と。

でも、その夜。Slackに先輩から一言メッセージが届きました。

「あの動き、全部見てたよ。ちゃんと粘ってたじゃん。」

──涙が出そうになりました。

評価されていないと思っていたけれど、
誰かが“プロセス”をちゃんと見てくれていた。

それからは、結果にこだわりすぎず、
「信頼される積み重ね」に自信を持てるようになりました。


結果を出す前に、「折れない自分」を育てる

転職して最初の半年間、ずっと劣等感とプレッシャーに追われていました。
でも、その半年があったからこそ、
「折れない自分を育てる」ことの重要さに気づけたんです。

心が折れそうなとき、私がやっていたこと

  1. 朝に“昨日のよかったこと”を思い出す
  2. 昼は“動く”に集中する
  3. 夜に“今日の学び”を3つだけ書く

失敗しても、「学びさえあれば“成長”にカウントできる」と思えるようになった。
それが、毎日を前向きに生きるコツになりました。


30代未経験でも「変われる」理由

「30代で未経験って、遅くない?」
何度もそう言われました。でも、私は違うと断言できます。

むしろ、30代だからこそ変われる。

  • 素直に学べる
  • 他人に頼れる
  • これまでの人生経験を活かせる

吸収は遅くても、理解と応用は速い。
自分を客観視して“戦い方”を調整できる。
それが、30代の強みだと思います。


数字に追われる人へ、届けたいメッセージ

営業において、“数字”は評価そのもの。
でも、未経験で結果が出ない時期は必ずある。

焦らなくて大丈夫。
信頼される行動を積み重ねていれば、必ず数字は後からついてきます。

あなたのやっていることは、無駄じゃない。
あなたをちゃんと見てくれている人が、きっといる。


支えてくれた言葉、忘れられない一言

「だいさんは、目立たないけど、着実に信頼積んでるよね。」

上司のこの一言が、どれだけ自信になったか分かりません。

数字も出ていない。評価もまだ。
それでも「ちゃんとやってることは伝わっているんだ」と感じた。

言葉は、折れそうな心に灯をともす。
だからこそ、自分も誰かにそういう言葉をかけられる人でありたい。


おわりに──あなたは、ちゃんと進んでいる

30代で未経験転職を選んだあなたへ。
結果が出ない。焦る。自信がない。

でも、安心してください。

あなたは、ちゃんと進んでいます。
毎日の積み重ねが、いつかあなたの“武器”になります。

そしてなにより、
あなた自身が、あなたの一番の味方でいてください。

今日も、昨日より一歩前へ。
その歩みを、誇っていいんです。

応援しています。


おわりに

ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
このnoteが、少しでも誰かの勇気や参考になれば本当に嬉しいです。

今後も、未経験からの転職や、IT営業のリアル、営業ノウハウなどをnoteやX(旧Twitter)で発信していく予定です。
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