ロジカルシンキングで武装する|“考える力”を鍛える方法

スキル・学習

はじめに

IT営業という仕事は、スピードと判断力、そして何より「伝える力」が求められます。
しかし、30代で未経験から入ると、専門知識や業界理解が追いつかず、どうしても思考が混乱しがちです。
その混乱を整理し、自分の言葉で“筋道を立てて話す”ための武器こそ、ロジカルシンキングです。

私も最初は報告が下手で、「結論は?」「何が問題?」と上司に何度も指摘されました。
でも、論理的に考える型を覚えてからは、同じ情報でも“通る説明”ができるようになったのです。


なぜロジカルシンキングが30代IT未経験の武器になるのか

IT営業では、日々の業務の大半が「説明」と「判断」で成り立ちます。
提案書、顧客折衝、社内調整、報連相──どれも思考整理が欠かせません。
だからこそ、ロジカルシンキングの習熟度がそのまま評価につながるのです。

経験や資格よりも、「考え方が整理されている人」はすぐに信頼を得られます。
なぜなら、相手が「この人は筋が通っている」と感じるから。
30代未経験にとってロジカルシンキングは、経験の差を埋める“再現可能な技術”です。

論理的に考える習慣を身につければ、どんな業務でも成果が安定します。
特にIT営業は変化の激しい環境。思考の軸を持つことで、どんな場面でもブレずに対応できます。


ロジカルシンキングの基本構造

ロジカルシンキングを一言で言えば、**「物事を筋道立てて整理し、正確に伝える力」**です。
難しい理論ではなく、誰でも再現できる3つの基本原則があります。

① 事実と意見を分ける

「顧客対応が遅れている」と言うとき、それが感情なのか、データなのかを区別します。
感覚で語ると信頼を失いますが、事実ベースで話せば相手は納得します。

② 全体と部分を整理する

課題を細分化せずに議論すると、問題の核心がぼやけます。
「顧客対応遅延」の原因を“人・仕組み・環境”などに分け、どこから手を打つかを決める。
これが構造的思考の第一歩です。

③ 因果関係で説明する

「こうなったのは、こうだから」と説明できる人は強いです。
感情論ではなく、論理のつながりで語る。これが会議や提案で信頼を得る鍵になります。


IT営業の現場で求められるロジカルシンキング

IT営業の現場では、一日の中に“考える瞬間”が無数にあります。

  • 顧客から「導入効果は?」と聞かれる
  • 上司に進捗報告をする
  • 他部署に調整依頼を出す
  • 提案内容をまとめる

どれも論理的な説明が求められる場面です。

たとえば顧客に聞かれたときに、
「たぶん良くなります」ではなく、
「導入前後で作業時間が20%削減される見込みです。根拠は同業の導入実績です。」
と答えられる人は、即座に信頼されます。

ロジカルシンキングを身につけると、“何をどう話すか”が変わります。
意見を通す力がつき、上司にも顧客にも「考えて話す人」と認識されるようになります。


報連相を“思考整理”で変える

ロジカルシンキングを最初に活かす場が「報連相」です。
日常の報告で「結論から言う」「理由を添える」だけで印象が劇的に変わります。

PREP法で伝える

PREP法とは、
Point(結論)→Reason(理由)→Example(具体例)→Point(再結論)

たとえば上司に報告するとき:
「結論から言うと、提案書は予定通り完成しました。
理由は、レビューが早く終わったためです。
顧客の修正依頼も軽微でした。
したがって、明日の打合せでは承認を得られる見込みです。」

これだけで報告が“論理的”になります。

4ステップ整理法

「目的→現状→課題→次の行動」で話すと、どんな内容も迷いません。
たとえば、
「目的:提案承認を得る」「現状:初稿提出済み」「課題:一部機能説明が不足」
「次の行動:補足資料を作成し、再提出」
という形で整理すると、相手は一瞬で理解できます。


会議で“的を射た発言”をするために

多くの未経験者が苦手とするのが、会議での発言です。
話が長くなり、何が言いたいのかわからない——これを防ぐには構造的に話すしかありません。

  1. 目的を明確にする:「今日の結論を出すための意見」なのか、「情報共有」なのか。
  2. 主張→理由→提案の順に話す。
  3. 話の枝葉を切る勇気を持つ。

論点を整理できる人は、会議の流れをコントロールできます。
「つまり今の論点は○○ですね」と要約できれば、それだけで場を支配できます。


提案書づくりに生きるロジカルシンキング

IT営業の提案書は、まさに“思考の可視化”です。
ロジカルシンキングを活かせば、構成が明快で、読み手に刺さる資料を作れます。

基本構造は次の通りです。

  • 現状分析:課題をデータと事実で整理
  • 課題定義:なぜそれが問題なのかを明示
  • 解決策:原因に対してロジカルに対応
  • 期待効果:数字やシミュレーションで示す

この流れを守るだけで、提案の説得力は何倍にも増します。
さらに、「課題→原因→解決策→効果」という論理展開を意識すれば、
未経験でも“考えて作られた資料”として上司にも顧客にも評価されます。


まとめ

ロジカルシンキングは、知識よりも「考える技術」です。
30代IT未経験でも、日々の報連相・会議・提案書の中で鍛えられます。
結論から話す、因果で説明する、構造で整理する——この3つを続けるだけで、
あなたの発言は変わり、信頼の積み上げが始まります。

論理的に考える習慣を持つ人は、常に“次の一手”を見据えています。
そしてそれこそが、IT営業としての最大の成長ドライバーです。

ロジカルシンキングで武装すれば、経験の差は必ず縮まります。
考える力は、あなたを最速で一人前にする最強のスキルです。

おわりに

ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
この記事が、少しでも誰かの勇気や参考になれば本当に嬉しいです

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